スルガ銀行 不正の事実-024 レントロールの偽装

2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、スルガ銀行において融資における物件関係資料の偽装の典型例がレントロールの偽装であると記載されています。

収益不動産ローンの融資基準では満室想定賃貸収入の70%を返済原資とみて融資限度額を算出する事とされていました。裏を返せば、レントロールを偽装することで、物件価格を吊り上げることができるということです。それにより、物件売買価格ならびに融資金額が不当に高くなった物件が散見されるようになりました。また、収益不動産ローンの融資限度額は担保評価額によっても左右されることから、担保評価額をつり上げる目的でもレントロールの偽装が行なわれました

右の具体例に記載されているように、行員が業者に対して偽装を指示していたり、業者からのメールでレントロールが偽装されていることをスルガ銀行の所属長を含めた関係行員が把握していたケースが多数判明しております。(下記は一部抜粋)

●行員が業者に「レントロールの利回りを現況収入の70%=返済額以上にしていただきたいです」と、出来上がりの数値を示してレントロール作成を依頼

●業者が行員に対して二重価格の資料及び投資家への案内資料を送付し、その中で銀行用の募集家賃金額と実際の保証家賃金額(サブリース)が異なっている

●行員同士で、「既存送金明細の賃料が合わない」「レントを(業者が)いじってないと話していたがやはり違う」「流れが分かる契約書依頼願います」等の相談

●業者が行員にレントロールを送付し「これだとちょっと安いですよね?」と質問。行員がそれに対して「そうですね。金額の調整をお願いしたい」と返答。その後、具体的な偽装金額を業者と行員で相談

スルガ銀行は、レントロールの偽装によってより多くの融資を実行できるようになりました。そしてこれが過剰な営業ノルマ達成の一助になっていきました。その結果、本来の価値以上の融資が行われ、多くの不正融資被害者が生まれることとなったのです。

(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(98-100/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf