スルガ銀行株式会社への株主提案について
この度、SI被害者同盟およびSS被害者同盟は、スルガ銀行株式会社に対し令和7年に開催される第214期定時株主総会における株主提案を実施いたしましたのでお知らせいたします。
スルガ銀行はご存じのとおり、金融庁による業務改善命令が解除されぬまま既に6年半以上が経過しており、その発端となった不正融資問題が未解決であるという異常な状態が継続しております。さらに、スルガ銀行は2019年5月以降は不正融資は1件も無いと言いながら、過去の不正により築き上げた債権から未だに莫大な利益を得続けており、多くの債務者を苦しめ続けているのです。
なお、スルガ銀行のIR情報では「できる限り真摯に対応する」と言いながら、調停では不正に関与した行員の情報を開示しないばかりか、情報開示請求した資料からは行員関与を示す証拠を隠蔽し被害者側の立証を困難にするなど、到底真摯に対応しているとは言い難い状況が続いております。
さらには、不動産業者と結託し預金通帳の改ざんを黙認して融資を通しているにも関わらず「不正はあったが不法ではない」という主張を展開し、不正融資問題の解決を頑なに拒絶する姿勢は「一日でも早い問題解決を強く希望しており」というスルガ銀行の声明が詭弁であることを物語っています。
さらに、スルガ銀行が提案している早期解決フレームワークや返済支援策はいずれもスルガ銀行にとって極力損失を出さないようにするためのものであり、例えばこの返済支援策を受けた場合、50歳、60歳を超えた債務者に数千万円の借金だけが残るようなケースが多く発生してしまいます。残りの余生をスルガ銀行の借金返済のためだけに生きるなど到底受け入れられるものではありません。
加えてスルガ銀行は昨2024年8月にSI被害者同盟代表等に対してデモ活動の差し止めや名誉毀損による損害賠償請求を行う、いわゆる言論封殺を目的としたSLAPP訴訟を提起しており、そもそも自らが引き起こした不正融資問題にことを発していることを理解していない上での暴挙としか思えません。
これらのことは、国会においても多くの議員が問題視され質疑がなされているという異常な状態であること、もはやスルガ銀行自らの力では不正融資問題を解決できる力がないことを鑑み、不正融資問題が一日でも早く解決し、業務改善命令の解除ならびにスルガ銀行が真に顧客に向き合う企業に再生するために、株主提案を実施いたしました。
新NISA制度も開始され、国民一人ひとりが自身の力で資産を築いていく必要性が増す中で、「投資は自己責任」という言葉を隠れ蓑に、残念ながら多くの詐欺被害が横行しているのが実情です。スルガスキームと呼ばれたように金融機関が組織的に投資詐欺の一端を担うようなことなく、国民が安心して資産形成に踏み出せるよう、我々の行動が日本金融システムの健全化の一助となるものと心から願っております。
【提出日】
令和7年4月20日(日)
※令和7年4月21日(月)8時11分 郵便局より受領した旨の通知を受け取りました。
【提出先】
スルガ銀行株式会社 本店(静岡県沼津市通横町23番地)
【提案議題】
(1) 不正融資により得た利益は全額放棄し、債務者への弁済に充てる旨および今後は不正融資の利益を受け取らない旨を定款に定め、不正融資による金利・手数料収入を開示し、関与した役職員に報酬・賞与の返還を求めること。
(2) 不正融資問題の再発防止と企業統治の強化を目的とし、独立した第三者によるガバナンス委員会を設置すること
(3) 当社が開示する融資審査資料(預金通帳等)の隠蔽を禁止し、顧客の要請に応じて正確な情報を提供すること、また当社関係者が裁判所で虚偽の証言をしないこと、調停においても真実を報告する旨を定款に定めること
(4) 金融庁から業務改善命令を受けている間、金融庁に報告している業務改善命令に関する進捗状況に関して、株主および投資家に対し定期的な報告を行う事を定款に定めること
(5) 経営戦略の立案において生成AIを活用し、更なる企業価値向上を目指す旨を定款に定めること
スルガ銀行へ提出した株主提案の全文は以下のPDFをご覧ください。