スルガ銀行、私の平穏な日々を返して下さい!
私は1962年生まれの60歳です。大学を卒業後、数社を経て現在も勤務している生命保険会社に入社し、管理職を務めております。家族は妻、子供2人の4人家族です。
2016年6月に千葉県の郊外にあるRC造7階建のマンションを購入する契約をし、そのためにスルガ銀行から3億円の融資を受けました。
今はそのスルガ銀行へのローン返済の不安の為に、将来訪れるであろう妻との慎ましやかな老後生活が確実に破綻してしまうという恐れで頭が一杯であり、精神的にも不安定となり仕事も手につかず日々苦しんでいます。
きっかけは顧客である不動産会社経営者からのしつこい勧誘
そもそものきっかけは2016年3月頃に、私の顧客であるM氏(投資用不動産会社経営)にしつこくセールスを受けたことに始まります。M氏の仲介でT不動産という不動産販売管理をしている会社の取扱物件を購入する流れとなりましたが、正直自分の年収・貯金では無理だと、もし、ローンが通るとしたら、不動産業者の言う通り本当に評価が高く安心できる物件なのだと思っておりました。
なぜなら、投資用不動産の場合は、住宅ローンのように買主の収入や預金に対して融資を決めるのではなく、その物件の適正評価がキチンとしていないと通常は融資が通らないと知り合いの銀行員が言っていたからです。物件の評価額と融資額が大きく乖離していれば、何故その価格で購入するのかヒアリングをするのが普通だと思います。担保価値の低い物件に融資したら銀行が損失を受ける可能性があるからです。
M氏に融資審査資料や通帳を全て渡した後の審査待ちの段階で、「T不動産のA取締役とスルガ銀行のEセンター長は太いパイプで繋がっている。多少金利が高いけど大丈夫ですよ」と言っていたことが私は忘れられません。
そして後日、M氏より審査が通ったとの連絡が入った時には、まさかローンが通るとは思ってもいませんでしたので、驚くと同時に多額の借金をすることに不安も感じました。
売買契約、融資契約、金消契約、全て2016年6月の同じ日に都内の会議室にて行いましたが、書類によって、違う日付を記載する様に指示を受けました。
M氏以外は全員初めてお会いした方々で、スルガ銀行2名(Eセンター長・F行員)T不動産3名(A取締役・B主任・C氏)、D司法書士、そしてM氏の7名に対して私1人で約2時間半、ほとんど休みなく大量の書類にサインを書き続けました。
正直なところ、長時間の拘束、大量のサインと押印、さらにわかりずらい説明のため、その時の記憶は曖昧ですが、事前にM氏より融資の条件として説明されていた定期預金350万円と毎月の積立定期預金25万円を断ろうとしましたが、スルガ銀行の行員から何かと理由を付けて強要されたことはしっかりと覚えています。
そして、全ての契約が終わり喫煙所に行くと、スルガ銀行のEセンター長がいたため、私が「この物件、本当に大丈夫ですよね?」と聞くと、「良い物件ですから安心して下さい!」と言ってくれました。銀行員、ましてやセンター長が言うのだからと、身の丈以上の買い物で不安に思っている自分を納得させました。
2年で管理会社が倒産、サブリース終了で赤字に転落
購入当初はT不動産が管理をし、サブリース契約にて毎月定額の収入が得られ、ローン返済もできておりました。ただ、固定資産税を支払うと貯蓄に回せるようなお金は殆ど残らず、この物件はスルガ銀行のEセンター長が言っていた様に本当に良い物件だったのか?と疑問に感じていましたが、2~3年後に金利が引き下げられたら状況は良くなると言われ、また顧客であるM氏との関係もあり、我慢していました。
約2年が経過した2018年5月頃、T不動産が倒産しそうだとM氏に言われ、すぐに管理会社の変更を促されました。次の管理契約はサブリース契約ではなかったため、その時初めてこの物件の一部屋の家賃を知り愕然としました。実際の家賃はT不動産のサブリース賃料よりもかなり少なく、毎月赤字となり、固定資産税を支払うと年間で数百万円もの手出しが発生してしまう事態となってしまいました。
M氏に問いただしても、私も騙されたとしか言わず、結局T不動産は8月に倒産してしまい、私は途方に暮れてしまいました。
多くの偽装・改ざんが発覚
物件の価値を信じていた私としては、スルガ銀行は一体何をもって融資したのか、強く疑問を感じたため融資審査資料の開示請求を行いました。すると送られてきた資料の中身は偽装・改ざんのオンパレードでした。
具体的には、レントロールの賃料を実際の約2倍に改ざん、預金通帳残高の約7200万円もの水増し、売買契約書の金額の偽装などです。
また、不動産会社に実際の物件評価額を査定してもらった結果、売買価格の半分以下の価値しかないと査定され、大幅な高値掴みをさせられたことを知りました。
スルガ銀行の不誠実な対応
貯金を切り崩しながらなんとか返済を継続していましたが、このままではすぐに返済に行き詰まるのは目に見えていたため、藁にもすがる思いで弁護士に相談しに行きました。その後、スルガ銀行によるシェアハウス等不動産投資向け不正融資問題が発覚し、自分もこれに該当するのではと考えました。それからスルガ銀行シェアハウス等顧客対応室より「元本一部カットに関するご案内」が届いたため、ADRによる解決を試みました。スルガ銀行との面談などを数回重ねたり、当方の主張を伝えたりして、1年以上の年月を経て2021年3月にやっと出たスルガ銀行側のADRに対する回答は、融資残高2億8350万円に対し21万円の元本カットという、人を馬鹿にしたようなものでした。
スルガ銀行シェアハウス等顧客対応室からの手紙に書いてあった「元本一部カットにつき真摯に対応させていただきます」というのは全くのデタラメであり、怒りを通り越して、もはや笑うしかありませんでした。
ただ、形式上元本カットに応じているということは、スルガ銀行自体、自らの不正を認めている証拠だと感じました。
厳しい現状
購入した物件は築30年以上の築古マンションであり、なおかつ管理がいい加減であったため、購入後の様々な修繕にこれまでに既に多額の費用がかかってしまっていますが、現在、給水ポンプが2カ所故障しており、その修繕にさらに費用がかかってしまう見込みです。また、ずっと空室のままの部屋も何部屋もあり、中には原状回復費が百万円以上もかかってしまう部屋もあるのですが、毎月大幅な赤字が続いているため修繕出来ずに家賃は下がる一方です。更には今まで大規模修繕もやっておらず、これからの事を考えると不安で不安で仕方がありません。
どうか、普通で平穏な日々を返して下さい。
スルガ銀行が不正融資さえしなければ被害は生まれなかった
私は正直、不動産投資によって不労所得を得ようと思い購入した訳ではありません。顧客であり若き経営者であるM氏を応援したいという気持ちが大きかったのです。さらに、スルガ銀行が適正価格と判断して融資した物件だから数年後に売却すれば問題ないというのが最後の決め手となりました。
まさか銀行が不正をするとは夢にも思っていませんでした。
世間では騙される方が悪いなどと言う人や、これは悪徳不動産業者が悪いのであって銀行は関係ないのではないかと言う人もいます。
私も、正しい情報に基づいて購入した物件が、購入後に突発的な修繕が必要になったり、入居率の減少などにより赤字になってしまったとしても、これは自己責任であると思います。
ただ、①スルガ銀行が他行のようにきちんと手続きを踏み、物件調査をした上で融資審査をしていたら、②相場の2倍という大幅な高値で購入する理由を聞いてくれていたら、誰一人として被害者にはならなかったと思います。
悪徳不動産業者がいたとしても、銀行が融資しなければ詐欺は成立しないのです。
銀行とは『お金という血液を個人や企業へ運ぶ心臓』だと思っています。だからこそ、公明正大でなければいけないのです。
私はこの不動産投資を家族に何の相談もせずにやってしまいました。最近、家族に打ち明けましたが、妻は将来を悲観し、私に怒り、そして泣き崩れました。
私自身、何度も何度も自殺することを考えました。しかし、今となってはスルガ銀行のEセンター長の顔、M氏の顔を思い出すと、なぜ騙された私が死なないといけないのか?そんなことをしたら向こうの思うツボであり、自殺なんか絶対にしない!その一点だけで生き恥覚悟で闘っております。
皆様、何卒お力をお貸しください。どうか宜しくお願い致します。