スルガ銀行 不正の事実-035 違法建築の黙認及び偽装

2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、スルガ銀行では違法建築であることを承知で融資を実行している形跡があったことが明らかになっています。
違法建築については、大規模な修繕が必要になるほか、特に売却困難を来すことが多いため、融資判断は特に慎重に行う必要があるにもかかわらず、特段の検討なく融資が実行されていた、と指摘されております。

下記は一部の例ですが、中には行員が偽装をにおわせるものや、業者が偽装を行員に予告していたものもあります。
●業者が行員に「若干容積オーバーがありますが、〇〇さんの方で収まっている旨の証明を作成して頂ける」と、外部の協力者を交えての偽装を予告
●行員が業者に、容積率に不安があると指摘しつつ、「〇〇の登場かもしれない」と、不動産評価において公図等測量に問題があった場合には、力添えしてもらう一級建築士が存在することを窺わせるメッセージを送信
●業者が行員に物件の評価出しを依頼する際に「違法建築となっています」と通告

本来であれば、銀行も自行のリスクとして認識し適正に評価すべきものであり、また顧客本人に対しても、その違法建築が問題無いものか、どのようにリスクを最小化して事業計画を達成するのかなどを顧客本人と綿密に打合せせねばならないところ、スルガ銀行は顧客本人とは全く会話せず、業者とのみ交信し、更にはあろうことか行員自らが協力者に依頼し違法建築を隠ぺいすることを示唆しておりました。

社会の公器たる銀行がその期待される役割を発揮せず、それどころか不動産業者と結託して数多くの不正な融資を強行し、多くの被害者が生まれることとなりました。

(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(102-103/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf