普通の日常生活を取り戻したい

掲載日:2022年11月3日

私は現在51歳です。大学卒業後、今も勤務する製造業の企業で働いています。家族は、妻、子3人の5人家族です。

ローン返済の不安で夜も眠れない日々

私は2016年5月に、北海道にあるRC造3階建のマンションを購入するために、スルガ銀行から2億6300万円の融資を受けました。子供3人に対して十分な教育環境を整えなくてはならないとの思いから、物件購入に踏み切りました。今、そのスルガ銀行へのローン返済のため苦しみ続けており、家族にも現状を打ち明けられず、苦しみを1人で抱えたままでおります。
団体信用生命保険に加入していることから、自殺をしてローン返済を完済することを毎日のように考えてしまいます。残される家族のことを思い踏み止まっていますが、日々悩み苦しみ、不安で一杯で夜も眠れない日々が続き、いつ鬱病になってもおかしくない状況が続いています。

スルガ銀行による融資が前提の物件斡旋

2016年始め頃に、不動産仲介業者B社よりメール等で不動産投資の勧誘を受け、説明を受けたことがきっかけでした。B社からは、物件の提案から融資のサポート、各銀行での融資実績があり自信がある、収益性の良いものを紹介する等の説明を受けました。その後、数々の物件の紹介を受けましたが、融資についてはスルガ銀行での融資の提案ばかりでした。スルガ銀行の融資は金利が高い為、他行での融資が可能な物件についても尋ねましたが、スルガ銀行はオーバーローンでの融資が可能であり、融資審査もスピーディーであるなどと強く進められました。また、他行での融資物件については、私の資産状況では難しく、スルガ銀行から融資を受ける物件でないと購入できない、あるいは他に既に購入希望者がおり購入できない、などと言われました。最終的には、保証会社による家賃保証があり、入居者の募集業務もお任せできて収益性も問題なく、融資に積極的なスルガ銀行であれば融資可能であるということで、現在保有する物件を購入することとなりました。

スルガ銀行員主導の手続き

2016年5月に仲介業者B社の事務所で、担当者S氏と売買契約の手続きをしました。不動産購入は初めてで勝手が分からず、売主は同席しないのかと聞きましたが、遠方のため不在、とだけ言われました。膨大な量の書類手続きを経て、最後に簡単な物件説明の後、売買契約書に署名しました。
売買契約後すぐに、同事務所で事前に待機していたスルガ銀行札幌支店の行員M氏に交代し、融資について簡単な説明を受けた後、融資申込書、金銭消費貸借契約書の記入欄に住所・氏名を記入しました。捺印はM氏が押しますと言われ、銀行員がそう言うなら良いのだろうと思い、お任せする形で処理が進められました。投資用不動産に関わるリスク等の説明は全くなく、手続だけが淡々と進められました。

融資契約の手続きの中で、行員M氏より、カードローンの申し込み、定期預金(400万円)、積立定期預金(毎月27万円)の申し込みが必要であると言われました。私はそれらがなぜ必要なのか分からず、申し込みはしたくないと言うと、行員M氏はB社の担当S氏に何かを指示し、S氏から私に対し、その三点は融資をする上で必要なことだと再度説明されました。納得がいきませんでしたが、融資の為に必要だと言われてしまうと仕方がなく、カードローン、定額預金、定期預金の申し込みも行いました。終始、行員M氏主導で手続きが進められたように感じ、本件に関してスルガ銀行が能動的に取り組んでいるものなのだと思いました。

不動産収支はたちまち赤字に

仲介業者B社からは、購入物件には家賃保証があり、購入後の客付けも保証会社が行う為、プロにお任せできて十分な安定収入が見込まれ、毎月のローン弁済、固定資産、諸経費等を差し引いても問題なく毎月返済ができるとの説明でした。
ところが物件購入後、新規入居はほぼなく、半年後には保証家賃が一方的に減額され、更にその後保証会社が倒産して家賃保証は無くなってしまい、家賃収入は元々の保証家賃の半分以下にまで激減しました。1ヶ月の家賃収入が月々のローン弁済額にも満たず、むしろ毎月数十万円もの手出しが発生し、絶望的な状況に陥りました。

後から分かったスルガ銀行の数々の不正

その後2018年にスルガ銀行によるシェアハウス向け不正融資問題が発覚し、私もまさかと思い、スルガ銀行に対し資料開示請求をしました。開示されたレントロール(家賃表)には、66室中58室に入居がある内容になっていました。実際には21部屋しか入居は無く、45部屋が空室であったにも関わらずです。また、融資審査時に提出したネット銀行の残高資料には、実際の残高よりも約6200万円も水増しされている内容になっていました。

思い返すと、融資審査の為に仲介業者B社から短期間で必要資料の提出を要求され、資料提出からなんと10日程で融資が可能となったのですが、スルガ銀行において十分な審査が行われたとは考えられません。また、物件購入前にB社よりやたらとスルガ銀行の融資での物件購入を進められ、融資申込、金銭消費契約時においてはカードローンなどの抱き合わせ販売を含め全て行員O氏主導で進められるなど、スルガ銀行こそが本物件を私に売りつけることを主体的に取り組んでいたのだと悟りました。

物件購入後に管理会社から聞いた話ではありますが、かなり前から本物件は売りに出されており、私の購入金額の半値以下で売りに出されていたとのことでした。つまり私は、1億2000万円以上もの高値掴みをさせられたのでした。また物件購入前、仲介業者B社より、物件の外壁を修繕し、女性向けの内装にリノベーションするので、新規入居も問題無いと説明されていましたが、実際は、近くにあった大学の学生向けの1R物件であり、同大学が廃校になった後は入居者も激減した為、外壁や内装などとは関係無くそもそも客付の厳しい地区であることがわかりました。

普通の日常生活を取り戻したい

私は物件収支を改善する為に、家賃の減額、入居条件の緩和、管理会社の変更、賃貸仲介業者の開拓等を必死に行ってきましたが、未だ入居状況は厳しく、スルガ銀行へのローン弁済すらまともにできない状態であり、この物件購入さえ無ければ負うはずのなかった多大な借金のために、私と家族の将来の見通しが全く立たない状況です。

こうした具体的な惨状をスルガ銀行に訴えても、投資用アパート・マンション問題においては、個別に事例や背景が異なるといった理由で、機械的な冷たい応対しかされず、スルガ銀行からは問題解決に向け真摯な対応をする姿勢など全く見られません。

スルガ銀行の融資は、本来行なわれるはずのない融資を不正に実行したものであり、そのために被害にあった人が自己破産や自殺などに陥ってしまうことは、社会に対して多大な影響を与えるものです。スルガ銀行に物件をお返ししてこの契約を無かったことにする代物弁済によって、しっかり責任を取って欲しいと思います。スルガ銀行の不正融資のせいで陥ってしまった絶望的な状況から救って頂きたいと切に願います。

この問題を早く解決して頂き、以前のように家族と普通に暮らせるようになることを心より願っております。

<編集部コメント>

お子様3人の教育環境を整えるため始めた不動産投資。スルガ銀行による不正融資の犠牲となり、自殺まで考えるようになるとは思いもよらなかったでしょう。スルガ銀行は不正融資によって被害者の心を蝕み、平穏な日々を奪ってしまいました。読んでいるだけで胸が締め付けられる思いです。Oさんとご家族の将来のためにも、一刻も早い救済が望まれます。