スルガ銀行 不正の事実-036 書類偽装の蔓延

2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、以下ア~ウの結果からみても、スルガ銀行では書類の偽装が収益不動産ローンの全般に蔓延していた事実が認められると指摘されています。

ア 第三者委員会による行員のフォレンジック調査
偽装への関与が物的証拠(メール)又は本人の自認によって認められる行員は77名、偽装が実態として防げていないと認識していたと述べるものを含むと80名となり、調査を受けた87名の内92.0%が偽装の事実を認めた。

イ スルガ銀行による行員アンケート
当該アンケートに於いて、パーソナル・バンクのフロント業務に従事する者においては、自己資金確認資料は約半数、レントロールについても約40%が何らかの偽装の認識又は偽装の疑いを持ちつつ融資を実行したことがあると回答している。(当事者によるアンケートにも関わらず半数程度の回答で不正の存在が認められた)

ウ チャネルに着目したフォレンジック調査の結果
スルガ銀行のチャネルPRMに登録されたチャネルの中で、その取扱案件に係る融資残高が1位の会社だけでも、第三者委員会が調査した限りで偽装が疑われるやり取りが含まれる電子メールが207件検出されている。

なお、第三者委員会が実施したインタビューにおいて、収益不動産ローンにおいて偽装が行われている案件の割合がどの程度あると思うかと尋ねたところ、複数の行員から以下のような回答が寄せられた。
●10件くれば10件はどこかしらに不正
●不正が全くない案件など、全体の1%あったかなかったかそのレベル
●100件中95-9件程度は何らかの不正が存在する案件
●偽装が一切無い案件は、100件中、あって1件か2件。そのような状態なので、自分以外が知らないなどということはあり得ない。

スルガ銀行全体に不正が蔓延し、本来融資されるはずのない物件や顧客に対し本来の価値以上の不正な融資が組織的に行われ、多くの被害者が生まれることとなりました。

(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(106-108/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf