スルガ銀行が主導した不正融資被害
私は、昭和53年生まれ、現在43歳です。大学卒業後、薬剤師として働いています。家族は妻と2歳の長男の三人家族です。
スルガ銀行からの紹介物件
2007年に年金対策や保険の代わりにと、区分マンションを購入したことが始まりでした。初めて区分マンションを購入して暫く経った2011年、不動産業者N社より追加提案された区分マンションを購入。そして翌2012年1月、N社の担当者から、一棟物のアパート購入の提案を受けました。担当者からは、スルガ銀行からの紹介物件であり、サブリース契約により年間約50万円の安定した手残りが見込める物件と説明されました。N社とはこれまでの区分マンションの運営実績があったことに加え、東証一部上場のスルガ銀行からの紹介物件であったことが決め手となり、物件購入を決めました。
ずさんな金銭消費貸借契約と、抱き合わせ定期預金
2012年2月、地元のファミリーレストランで、N社の担当者と、購入物件の管理会社の担当者が同席の下、不動産売買契約を結びました。さらにその翌日、同じファミリーレストランで、スルガ銀行大阪支店(担当:S氏)と金銭消費貸借契約を締結しました。融資額は1億5000万円でした。金銭消費貸借契約の席において、行員S氏からは投資用不動産の先々のリスクに関する説明は一切無く、また通帳の原本確認も行われませんでした。さらに「金利引き下げの融通が効くので、定期預金にお付き合いください。」と行員S氏から突然切り出され、定期預金口座を開設させられることになりました。
赤字続きの運営状況
購入当初はサブリース契約により保証賃料が振り込まれ、順調に毎月の返済を行うことが出来ておりました。しかし、突如サブリース契約が打ち切られることとなり、それ以降保証賃料が入らず、一気に赤字に転落しました。なんとか返済を続けるために、様々な努力により満室近くで物件を運営しても、ローン返済には毎月20~30万円の補填が必要な状態が続いており、老後のための貯蓄や会社員の給料を充てることで何とか返済を続けています。さらに物件の老朽化に伴う修繕費や、入退去に係る諸費用も発生します。このような運営状況の為、最低限必要な修繕費さえ負担をする金銭的余裕もなく、管理会社に修繕費500万円を立て替えてもらい、何とか賃貸運営を継続していますが、この立替金もいずれは支払わなければなりません。
不正だらけの融資審査書類
スルガ銀行に開示請求をして入手した融資審査時の書類を確認したところ、多くの不正の事実が判明しました。まず預金残高が2000万円水増しされていました。次に銀行通帳の口座履歴が大きく偽造されていました。私が過去に購入した区分マンションのローン返済は埼玉りそな銀行の口座で行っていましたが、開示された三菱東京UFJ銀行の口座履歴を見ると、なぜかそこにその区分マンションの返済履歴が記載されており、その偽造された区分マンションのローンの返済記録を見て「返済の遅延がないことを確認しました」とスルガ銀行センター長(S氏)のサインが記載されていました。さらに平成24年2月7日に700万円の入金履歴がありますが、その振込元の名義は、父の名前によく似た謎の人物の名前でした。父の漢字を別の音読みにすると、偽造された通帳に記載の名義になるため、書類を改ざんした者が、父の名前を読み間違えたとしか考えられません。
また開示された三菱東京UFJ銀行の通帳には支店名が掲載されていますが、私はその支店で口座開設をした事実はありません。つまり架空の通帳に架空の口座履歴が捏造され、その情報をもとにスルガ銀行は融資審査を行っていたのです。
さらに、開示資料には、身に覚えのない手付金の領収書や、入居率の改ざんされたレントロールまで含まれていました。
スルガ銀行が主導した不正融資
私には、不正行為で融資審査を通過させてまでして、不動産を購入したいとの意向はありませんでした。開示資料の改ざんの数々を目の当たりにして、驚きや怒りを隠せませんでした。詳細を確認すべく、不動産業者Nの担当者に連絡を取ると、同氏は、スルガ銀行から紹介を受けた物件であること、スルガ銀行から必要な改ざんの金額を指示されていたことを明かしました。つまり物件紹介から融資審査書類の改ざん指示まで、一貫してスルガ銀行が主導していたのです。
私には2歳になる一人息子がいます。この子の成長を見守ることが唯一の生きがいですが、果たしてこのまま成長を見届けられるのか、不安な気持ちでいっぱいです。私の脳裏には常に自死の選択肢や自己破産による一家離散という考えが頭をよぎるのです。私の生きがいまで踏み躙ろうとするスルガ銀行の不正融資を絶対に許せません。早期にこの問題を解決し、家族と笑って過ごせる日が来ることを、心から望んでいます。