スルガ銀行の無責任な融資が私の人生を終わらせてしまった

掲載日:2022年5月7日

私は日本在住の外国人で、49才のサラリーマンです。2017年にスルガ銀行から1.4億円の融資を受けて一棟アパートを購入しました。現在、物件のトラブルと高額の返済で苦しんでおり、自分の人生には未来があるのだろうかと苦悩しております。

私が日本語を理解できないことを知った上での、スルガ銀行の会議室での融資契約

2016年6月、私は会社の同僚からの紹介で、P社主催の不動産セミナーに参加しました。セミナーの後、P社のT氏より、M社のY氏を紹介されました。Y氏は最高の物件を持っていて、正直で、最高のサービスを提供してくれる素晴らしい人だとT氏より説明されました。後日Y氏から、一棟アパートの紹介を受けました。その物件は店舗を含め18部屋で、毎月約100万円の家賃収入が見込まれ、想定のローン返済は月約70万円であるため、十分な利益が得られるとの説明を受けました。物件の収益性と、同僚からの紹介、そして日本人の誠実な国民性を信じて、私は物件の購入を決心しました。
2017年6月に、西麻布にあるM社のオフィスで、P社のT氏も同席して物件の売買契約を行いました。その時同時に、M社のY氏を通してスルガ銀行の融資申し込み手続きを行いました。私は日本語を読むことができませんでしたが、T氏が「スルガ銀行は信用の高い銀行です。内容も何も問題は無いので大丈夫ですよ。」と言い、私の代わりに書類に必要事項記入と押印を行いました。
その後、日本橋にあるスルガ銀行東京支店の会議室で、行員N氏と、M社のY氏、P社のT氏も同席して、金銭消費貸借契約書の締結を行いました。この取引において、私がスルガ銀行の行員に会ったのはこの時が初めてでした。それまでは、スルガ銀行側との全ての打合せやメール等はY氏とT氏が行なっていました。金消契約締結の際、私は彼らが何を言っているのか全く理解できないことを伝えましたが、彼らは「何も問題有りませんので安心してください」と言い、次々と手続きを進めていきました。3名は私に、書類中の囲んだ部分にただ名前を書くように指示しました。書類への記入を終えた後、T氏が「書類にうまく押印できない外国人の方は多いですよね」と笑いながら、行員N氏の目の前で、私の代わりに全ての書類に押印をしていきました。

問題だらけの物件、説明の無かった大規模修繕

「十分な利益が見込める」との説明であったからこそ物件購入を決めたのですが、実際は全く違いました。平均家賃収入は高々65万円のみで、更に、予期しない大規模修繕により多額の費用が掛かりました。防水工事に500万円が掛かり、また入退去のたびに、各部屋のリノベーション工事で40万円から120万円の費用が掛かり、私の貯金は完全に無くなってしまいました。貯金が無くなってからは、スルガ銀行への返済に自分の給与を充てねばならなくなり、非常に厳しい状況に陥りました。

スルガ銀行は私にも不正行為をしていた

スルガ銀行がシェアハウスを含む投資用不動産向けに不正融資を行っていた事件を知り、私も当てはまるのではないかと思い調査をしたところ、私の融資についても物件情報や契約に多くの不正や偽装があった事が判りました。例えば、融資審査用書類である私の銀行明細に露骨な改ざんがありました。スルガ銀行の行員は私の書類についての偽装を知っておきながら、M社やP社と共に私への不正な融資を無理やり実行したのです。また金消契約の際は、銀行員以外の人が同席してはいけないということも後で知りました。行員N氏は当然そのことを知っておきながら、不動産業者であるY氏やT氏を同席させて私との金消契約を締結したのです。これは行員N氏と、Y氏、T氏等の不動産業者が非常に慣れ親しんだ関係であったのだと強く疑っています。

スルガ銀行の不正融資が原因で、数々の不幸が・・

物件トラブルや苦しい返済の為に、私は深刻な鬱になってしまいました。私のガールフレンドに借金の事を知られ、彼女との結婚の話がなくなってしまいました。彼女の家族が、スルガ銀行から巨額の借入があったり不良物件を抱えているような者とは結婚を認めないとの事でした。私の母は、私がこの一連の件によるストレスで苦しんでいるのを見るに耐えられない事も一因で亡くなりました。私は、母にこの借金の件を話した事、修繕費用のお金を母から借りた事について、本当に苦しい罪の意識にさいなまれております。私は物件購入後の4年以上、まともに眠れたことはありません。ストレスで体重も増え、この件が起こるまで経験したことのないアルコール依存症に悩まされています。
スルガ銀行のガバナンスの欠如やコンプライアンス無視の業務運営により私に起こったこの問題で、私には未来などあるのだろうかと思っています。私は、不正な融資により負わされた巨額の借金地獄から解放され、普通に暮らせる機会がいつか来ればとただただ願っております。

<編集部コメント>

本件は、スルガ銀行が悪徳不動産業者と結託して、Dさんのような日本語を全く理解できない外国人にすら無理やり不正な融資を実行していた、本当に非道な事例です。スルガ行員は過剰なノルマ達成の為に、言葉がわからない日本で必死に働いているDさんを騙し、借金地獄に陥れました。その結果、Dさんの結婚は破断となってしまい、更に、Dさんのお母さまに多大なる心労を掛け、Dさんが苦しむ姿を見ながら他界されることとなってしまいました。
社会の公器であり、信用によって成り立つ銀行が、自社利益の為に顧客を不幸に陥れる、しかも、日本語が分からない外国人を餌食にしてしまう。このような卑劣な行為は絶対に許されません。Dさんの問題が早期に解決され、1日でも早く平穏に暮らせるようになることを切に願っております。