スルガ銀行 不正の事実-020 手付金・中間金領収書の偽装

2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、自己資金のない者について、通帳の代わりに手付金等の領収書を偽装して、自己資金があったかのように見せるということが行われていました。

これらの偽装は、スルガ銀行の行員が自ら不動産業者に対し偽装を指示していたり、或いは、業者による偽装があることを行員が明らかに認識していた事例が確認されております。
例えば、下記のような具体例が認められております。
●行員から販売会社に「自己資金がない借入人は各種領収証を準備せよ」と、領収証の偽造を指示
●行員から業者に「手付済エビデンス、弊社に900万円入金あり(900万円の出所、振込履歴のエビもご用意下さい)」として、具体的なエビデンス作成を指示

スルガ銀行は、自己資金のない顧客にも証拠書類(エビデンス)を偽装して融資を実行することで、スルガ銀行 不正の事実-005でも紹介していますように、より多くの顧客に対して融資を実行できるようになりました。「エビデンスの偽造が無ければ過剰な営業ノルマを達成できなかった」と、スルガ銀行の行員が裁判でも証言しております。さらに自己資金の確認の不徹底については、今回の領収書の偽装だけでなく、スルガ銀行の制度変更にも起因していることはスルガ銀行 不正の事実-008でも紹介した通りです。

これらの不正行為により、本来融資されるはずのない顧客に過剰な融資が実行され、結果として多くの不正融資被害者が生まれることになりました。

(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(105/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf