私はスルガ銀行を絶対に許さない
-心臓病を患って・・

掲載日:2022年11月27日

私は1969年生まれ、53歳です。大学院を卒業後、現在も勤務している医療機器関連企業に入社して営業職として働いています。家族は妻と息子、娘の4人家族です。
2014年8月に、石川県にあるRC造7階建のマンションを購入する契約をし、そのためにスルガ銀行から3億600万円の融資を受けました。また同年10月付で愛知県にあるRC造4階建のマンションを購入する契約をし、そのためにスルガ銀行から1億2600万円の融資を受けました。
そのスルガ銀行のローンのため苦しみ続けており、不安が一杯で夜もまともに眠れず、仕事も手につかず、自分が死ねば家族には迷惑を掛けなくて済むかもしれないなどと考える日々を送っています。

将来に不安を感じて

外資系の企業に勤め、忙しい日々を過ごす中、将来の不安もあり、不動産投資を考えるようになりました。ネットや本などで勉強をしていましたが、初心者で時間的余裕もないので、プロである不動産業者と接しながら学びつつ物件を探していこうと考えました。そこで知り合ったのが不動産仲介会社J社のH氏でした。

H氏からは「Nさんであれば銀行から5億円は融資を受けられますので、良い物件を一緒に探していきましょう」と言われ、幾つかの物件を紹介されました。当時の仕事の都合で石川県と縁があったこともあり、石川県の物件を推され、収支については毎月の家賃収入で十分銀行のローンを返済できると説明を受けました。それだけ十分な収支であれば安心だろうと思い、契約に至りました。融資については何の問題も無いそぶりで、どこの銀行と言う事もなく、「ちゃんと紹介するので安心して下さい」と言われ、当時は、不動産のプロが言うのだからそういうものなのかなと思いました。融資契約を締結するタイミングになって初めて、融資元はスルガ銀行なのだと知りました。
同時並行で愛知県の物件も紹介され、そちらも毎月の賃料収入でローン返済が滞りなくできるとの説明を受け、結局2棟を短期間で契約するに至りました。契約に際して私が提出したのは、私が口座を持つ銀行の通帳コピーのみでしたが、H氏によって非常にスムーズに手筈が整えられ、これが普通の流れなのかなと思っていました。両物件とも、売買契約の売主はC社という不動産会社でした。

銀行員がほぼ関与しない、スルガ銀行との融資契約

1棟目の売買契約は、2014年8月に都内のJ社オフィスの会議室で、担当のH氏と、宅建士のT氏立ち会いの下おこなわれました。同日に融資契約書にもサインを行ないましたが、スルガ銀行員との面会や審査等は一切無く、これで3億円超の融資が出るのかと不思議に思いました。

2棟目の売買契約は、同年10月にスルガ銀行名古屋支店近くの喫茶店で、J社のH氏同席の元行なわれました。同じ日にスルガ銀行の名古屋支店にて、初めてスルガ銀行員Y氏と会いました。行員Y氏からは銀行通帳の原本の提示要求などもされず、健康診断書を渡して健康状態をチェックされたくらいの記憶しかありません。そのまま、Y氏と融資契約を締結しました。投資用不動産マンションの先々のリスクなどについては、J社H氏からも行員Y氏からも全く何も言われませんでした。

購入前に聞かされていなかった多数の問題

1棟目購入後しばらくして、地上と屋上にある給水タンクから水漏れが発生しました。J社に聞くと「大したことは無いが、一応売主のC社に言って補強してもらいました」と言われ、安心していました。ところが水漏れは止まらず、他の業者に確認すると「こんな補強では何の役にも立たない。給水タンクの交換が必要で1000万円くらいかかります」と言われ、驚愕しました。また、購入時テナントが半分空室で、J社のH氏からは「テナントは入居希望の方が自分の費用で好きなように内装をアレンジするので問題ないです」と言われていました。しかし物件購入後、管理会社に聞くと「床も壁もボロボロなのでオーナーが綺麗にしないと入居者は付かない。またテナントを貸し出すには駐車場が足りません」などと言われ、唖然としました。結局、また多額のお金をかけて内装工事を行ない、駐車場は近隣の空き地を借りて何とか確保してテナントに入って頂くことができましたが、物件購入前のシミュレーションには無い出費が毎月数十万円も増えてしまいました。J社に確認してもまともな回答は得られず、泣き寝入り状態です。その他にも次から次へと問題が吹き出てきて、現在も日々綱渡り状態での運営となっています。

2棟目の物件は、購入当時に7割以上空室がありましたが、6ヶ月の家賃保証契約を締結しており、家賃保証が切れるまでに満室になるから大丈夫だと言われていました。しかしその家賃保証が切れる頃になっても一向に入居者が付かないため、管理会社に問い合わせたところ、「今の家賃では高すぎて入居者をつける事は厳しい」と言われました。その後家賃を約3割も下げてようやく入居者が付いて頂けるようになりました。両物件とも築30年以上の古い物件で、退去者が出るたびに家賃を値下げして募集をかけねば新たに入居して頂けず、その都度収支は悪化していきます。J社より提示され、スルガ銀行も認識しているはずのレントロールにはこのような現実の計算は一切されておらず、高い収支で融資の判断が為されていました。

結局2物件ともまともな収支には成り得ず、家賃収入でローン返済をするどころか、毎月手出しが発生している悲惨な状態です。

書類偽造の発覚、それでも自社利益を貪ろうとするスルガ銀行

私にとって初めての不動産投資なので、「初心者が分からない世界があるのだろう」と自分に言い聞かせたり、「プロであるJ社とスルガ銀行が認めている物件なのだから間違いないはず」などと思い込んでいましたが、2棟目の物件の家賃保証契約が切れる頃、「もしかして騙されているのではないか」と思うようになりました。入居者が全く付かず、このまま家賃保証が切れるとローンが支払えなくなると恐怖を感じてJ社に確認をしても的を得ない答えが返ってくるだけで、その疑いは確信に変わっていきました。

真実を確かめようと思い、スルガ銀行に対して融資審査時の書類開示を求め、開示された資料を見て愕然としました。私が提出した銀行通帳の残高が合計で約9500万円も水増しされて、自己資金が潤沢にあるように改ざんされていました。レントロールはやはり現実とは掛け離れた内容で審査が通されており、更には私の手元にあるものと金額が異なる手付金の領収書が偽造されていました。
それらの書類偽造と共に、購入前に聞かされていなかった物件の惨状を伝え、この様な状況で修繕にかける資金がもう無いですとスルガ行員に相談すると、「修繕費を融資するので大丈夫です」と、なんと逆に融資を勧められましたこの状況下で更に融資をして金利を貪ろうとするスルガ行員の神経を知り、こんな銀行を頼りにしていたのか、信用していたのかと絶望しました。

全ての元凶はスルガ銀行による不正融資だった

シェアハウスかぼちゃの馬車事件が明るみになり、スルガ銀行による不正融資が発覚しました。不正融資の対象はシェアハウスに限らず、一棟アパートマンションにも及んでいることが判明し、私はそれまでの経緯から、自分の物件も不正融資の対象であったのだと確信しました。振り返ってみると、融資契約時にスルガ行員が自分の前にほぼ姿を現さなかったのは、不動産業者と結託しての融資ありきで、スルガ銀行自身は何の調査もしていないし、リスクやその他の説明も不要だったからだと、その時になって理解しました。物件購入当時、「銀行が多額の資金を融資してくれるということはお墨付きを貰えているので安心だ」というJ社の言葉に騙されていました。スルガ銀行は現実の価値とはかけ離れた高値の融資を引き、融資実績を積上げ、高い金利をむしり取る事が目的であり、顧客の事など全く考えていなかったのです。

この2つの問題物件を抱えてから、不安で夜も眠れなくなりました。眠れないので飲酒の量も増え、仕事にも集中できなくなり、ストレスのために心房細動という心臓の病気を発症し、手術を受けるまでになってしまいました。一命はとりとめられましたが、今も管理会社から電話が来ると、また大きな修繕の話では無いかとドキドキしてしまい、不整脈が時折発症しており、完全な再発がいつ起こるか怯える毎日が続いています。

このままではいつか破綻することが明白であり、絶望から半ば人生を諦めた状態での生活が続いており、団体信用生命保険の契約を何度も読み返し、自殺を考える日も少なくありません。鬱状態なのだと思いますが、精神が病んでいるなどとは会社にも悟られたくないため、病院にも行けず日々一人苦しんでおります。最愛の妻と離婚して、子供、両親、親族に借金で迷惑が掛からないようにするしか無い、仕事も辞めて一人どこかに消えるしか無いなどと考えてしまいます。
このような不正融資、不法行為を行ったスルガ銀行を、私は絶対に許すことが出来ません。

<編集部コメント>

将来不安の備えのために始めた不動産投資。スルガ銀行の不正融資の犠牲になり、自殺まで考えることになろうとは思いもよらなかったでしょう。スルガ銀行は不正融資により、被害者の心は蝕まれ、人生をめちゃくちゃにされてしまっています。読んでいるだけで胸が締め付けられます。せめて物件購入前の状態に戻れるよう、一刻も早く、Nさんが救済されることを願います。