スルガ銀行による不正融資の挙句、自宅まで競売に!
私は1964年生まれ、現在58歳です。大学院を卒業して以降、会社員として働いています。
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スルガ銀行承認済みの区分物件、住宅ローンの借り換え
2012年7月、不動産業者T社(担当:I氏)から自宅に電話があり、マンション経営の勧誘を受けたことに始まります。初期費用が無くても不動産経営により資産運用ができることを電話口で説明され、老後不安から資産運用に興味を持っていたこともあり、自宅近くのファミレスで詳細な話を聞くことにしました。面談では早速、首都圏の区分マンション2戸の購入を提案されました。初期費用を負担せずスルガ銀行から全額融資を受けられる、スルガ銀行の融資審査承認済み、ということが決め手となり、購入の意思をI氏に伝えました。
その際にI氏から、他行で契約している自宅の住宅ローンについて、これを機にスルガ銀行の住宅ローンへ借り換えを行うことを提案されました。この住宅ローンの借り換えの有無が融資審査に影響すると説明された為、承諾しました。融資審査は問題なく通過し、2012年8月、I氏同席の下、スルガ銀行横浜東口支店で融資契約を締結しました。融資金額は2戸合計で4670万円でした。融資契約時に不動産投資に関するリスクについて、スルガ銀行から一切説明はありませんでした。
スルガ銀行承認済みの一棟マンションの提案
不動産業者T社とは毎年の確定申告について相談をしていました。そして2016年3月に例年のように相談に行ったところ、当時の担当であったU氏から、区分マンションだけでなく、収益性の安定の為に一棟マンションを購入してはどうかと勧められました。鉄筋コンクリート造3階建の一棟マンションを提示され、購入に際しては不動産業者T社の関連のあるA社とサブリース契約を締結する為、空室の有無に関わらず安定した家賃収入が得られるとの説明を受けました。さらにスルガ銀行の融資審査済み物件であるとの説明もあり、そのことが決め手となり購入を決意しました。なお紹介を受けた一棟マンションは、都内の区分マンションとセット商品であり、区分マンションを含めてスルガ銀行に融資審査を申し込む必要があるとU氏から説明され、融資審査をスムーズに進めるためにも応諾することにしました。
驚きのスピードで融資承認
2016年4月、不動産業者T社のオフィスにおいて不動産売買契約を行いました。契約後すぐにスルガ銀行東京支店に移動し、融資契約を行いました。融資金額は、一棟マンションが2億6550万円、区分マンションが2430万円でした。膨大な数の契約書に、行員の指示に従い次々と署名と押印をしていきました。その時も、行員からは不動産投資に関するリスクについて一切説明はありませんでした。さらに定期預金や積立定期預金の契約も融資条件になるとその時初めて説明を受け、新規に契約せざるを得ませんでした。
不動産業者T社に物件の購入意思を伝えてから2週間後には融資審査の承認がおり、その翌週には融資契約と異例の速さで進んだことに驚く一方で、不動産業者T社がスルガ銀行の融資審査済み物件と説明していた意味を実感しました。
なお一棟マンションの購入に際して、リフォーム費用としてスルガ銀行とは別に、信販会社から合計3000万円の借り入れを行いました。
サブリース賃料の減額
一棟マンションと4つの区分マンションの購入の為にスルガ銀行から融資を受け、その融資の合計金額は3億3650万円となりました。特に融資金額の大きな一棟マンションについては、サブリース契約により安定した収益が見込まれることから、安定した賃貸運営ができると信じていました。しかしすぐに暗雲が立ち込めることとなりました。
購入から2年程経過した頃、突然、一棟マンションのサブリース賃料が減額されてしまい、収入がスルガ銀行への融資返済額にも満たなくなってしまいました。さらに期日通りに入金されないことも相次ぎました。サブリース契約を締結したA社と不動産業者T社は関連企業であるため、T社のO社長に相談しました。O社長からは、A社の経営状況から判断してサブリース賃料の増額は困難であると説明され、スルガ銀行金利を引き下げてもらうべく私が直接交渉するよう言われました。
スルガ銀行との集団交渉
2019年4月、スルガ銀行へのローン返済が困難な状況となる中、不動産業者T社O社長から「被害者Sさんのような返済困難な状況の方が多い為、一括して弁護士に依頼し、スルガ銀行とADR(裁判外紛争解決手続)を行いましょう。現在の厳しい状況を脱するためには、ADRを通じてローン金利の引き下げや元本の一部カットの交渉を行う他に選択肢はありません。」との連絡を受けました。
このような提案のあった背景には、2018年、スルガ銀行による不正融資の実態が明らかとなり、金融庁からスルガ銀行に対して行政処分が下されたことが挙げられます。行政処分を受けたスルガ銀行は、不正融資の債務者に対して、元本一部カットなどの交渉に応じると公表しました。
ようやくローン地獄から解放されると期待に胸が膨らんだことを覚えています。早速、不動産業者T社から紹介された弁護士に委任し、私と同様に苦しむ債務者の方々と一緒に、集団でスルガ銀行とのADRを開始しました。
ADRを開始して間もなくして、耳を疑うような事実が判明しました。融資審査書類として提出した私の銀行通帳が改竄されていたのです。驚いたことに4600万円もの代金が、本来の預貯金額に上乗せされていたのです。その他にもレントロールの改ざんや、手付金などの領収書の偽造など、多くの不正が明らかになりました。
融資審査で不正が行われていたことが分かり、スルガ銀行側から何らかの譲歩が得られると確信しました。しかしその夢は叶わず、2021年の秋にはADRは終了せざるを得ませんでした。スルガ銀行側が提示した元本カットの適応は非常に厳しい条件であり、私は不正融資を受けているにも関わらず、救済の対象外であったのです。ADRにおいてスルガ銀行側は一切妥協する姿勢は見せず、最終的に和解不成立として調停手続きを終了する他にありませんでした。
自宅を含めた非情な競売手続き
スルガ銀行との和解は成立せず、ローン返済の希望が完全に絶たれてしまいました。そしてADRが終了するや否や、債権者であるスルガ銀行は、私の所有物件の競売手続きを開始したのです。私の場合は悲惨なことに、住宅ローンをスルガ銀行に借り換えていましたので、自宅まで競売の対象となってしまいました。全てを失ってしまう恐怖に襲われ、絶望の淵に立たされました。幸いにもSI被害弁護団に加入することができ、競売は一時取り下げとなり、再び交渉の席に着くことができましたが、非常に厳しい状況であることには変わりありません。
まさか銀行が融資審査書類を改竄や捏造をしてまで融資するとは思っていませんでした。正当な融資審査が行われていたら、このような悲惨な目に合うことはなかったでしょう。とても残念に思います。
私と同じように今も悩み苦しむ不正融資の被害者が大勢います。どうか皆様、問題解決のため、お力添え下さいますよう、宜しくお願い致します。