平穏な生活を取り戻したい
私は、1988年6月生まれ、現在33才です。
2011年に現在も勤務している証券会社に入社しました。2019年に結婚した妻と私の2人家族です。
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泣きながら「子供は産めない」と呟く妻
私は2016年12月27日付で千葉県八千代市にある 鉄骨造2階建のアパート(本物件)を1.37億円で購入する契約をし、そのためにスルガ銀行から同日付の契約で同額の融資を受けました。
今そのスルガ銀行へのローンの返済のため苦しみ続けております。不安で夜も眠れず、1時間おきに目が覚めます。夜はろくに眠れないため、昼間は仕事も手につきません。このような状況が続いた結果、私は2021年12月に、睡眠不足とストレスが引き金で発症すると言われている低音障害型感音難聴を患いました。私もスルガ銀行の不正融資の被害者であることが分かった2020年5月、妻が泣きながら「子供は産めない」と呟きました。私はその時の妻の悲しい顔が今でも頭から離れません。私が死ねば妻に金銭的な迷惑をかけることもない。妻はまだ若いから、今私が死ねば妻はやり直せる、とも考えました。
私は2019年に現在の妻と結婚しました。スルガ銀行に騙されていたことに気付く2020年5月まで、交際期間も含めて喧嘩ひとつしたことのない、本当に仲の良い夫婦でした。その後、喧嘩が絶えなくなったことで、妻は実家に帰ってしまいました。別居生活は1年になります。
会社の同僚に不動産業者を紹介される
購入のきっかけは2016年12月9日に、会社の同期でもあるO氏と会食をしたところ、その場に本件融資の対象である売買契約の売り主である不動産業者Bの会長・S田氏とI藤氏が現れ、O氏から紹介されてS田氏及びI藤氏と知り合いました。
O氏はS田氏から勧められて不動産を購入したなどと言い、S田氏は私に対しても「物件に絶対の自信がある」「不動産の価値が高いので、不動産の購入資金は、価値に見合う借り入れを銀行から行うことができる」「購入資金は全額銀行から借りることができる」「サブリースなので管理はすべて不動産業者Bが行い、銀行へのローン返済は賃料から全額支払うことができるので、T君の負担はない」「銀行に返済完了する35年間、サブリースとして面倒を見る」「お客様には喜んでいただいている」「僕を信じてほしい」などと言葉巧みに不動産の購入を強く勧めました。私は会社の同期であり信頼しているO氏からの勧めということもあり、不動産の購入に興味を持ちました。
祝日にスルガ銀行で面談をすることに
2016年12月12日の20時に、不動産業者BのS田氏・I藤氏と、私の当時の勤務地である東京都内でもう一度会い、不動産業者Bが持参した物件概要書をもとに説明を受けました。その際、S田氏とI藤氏は「O氏の紹介なので、絶対に損はさせない」「アパートは収益を生む資産として計算されるので、年収の20倍まで融資を受けられる」などと言って本物件を紹介しました。提案書類には不動産の賃貸状況も記載されておりました。16部屋中、空室は2部屋であり、その部屋もすぐに埋まるので、不動産購入後は全部屋一括で不動産業者Bがサブリースを行い、満室時の90%を永久に保証するという内容が記されており「ずっとこの金額を支払い続ける」と説明しました。
私は第三者である銀行が不動産の価値を評価して融資するのだから、もし融資されるのであれば、当該物件の購入をしてもリスクは低いだろうと考え、銀行を信用し不動産を購入することにしました。
その際にI藤氏は「良い買い物をしましたね。あれは土地だけで1億円の価値があります」と言っていました。
後日、不動産業者Bから銀行との面談のため、スルガ銀行東京支店に来てほしいと言われました。平日に仕事を抜け出すことが難しい私の都合に合わせ、2016年12月の祝日にスルガ銀行東京支店にて面談を行うことになりました。スルガ銀行がわざわざ祝日に店舗を開けて融資を実行するのだから、不動産の価値がよほど確かなもので、銀行の融資対象としてよほど優良な案件なのだろうと考えておりました。
スルガ銀行行員と不動産業者に出迎えられる
不動産の売買契約は12月の祝日のスルガ銀行東京支店にて、融資面談の前に行われました。私がスルガ銀行東京支店に到着した時には、既に不動産業者BのI藤氏が到着しており、私はスルガ銀行の職員と不動産業者BのI藤氏に出迎えられました。そして2階の会議室に通されました。
私は、この時スルガ銀行職員とは初めて会ったのですが、スルガ銀行職員のM嶋氏及びT橋氏と名刺交換をし、不動産売買関係の様々書類、融資の申し込み関係の書類、後述の年金保険の加入申し込み用紙へ次々に署名捺印をしました。
年金保険は当日初めて融資の条件であることを知らされ、いきなり提案書を渡され当惑しましたが、融資の条件ということで契約を行いました。
面談の最後に振り込み用紙を5枚ほど渡され、口座番号の記入と署名捺印をするようにスルガ銀行職員M嶋氏から指示されました。金額は桁数も大きいし、書き間違えのリスクを減らすために銀行員が記入するのだとその時は思っていたのですが、それこそが銀行の不正行為のためだったと後になって分かりました。
まさかスルガ銀行が不正行為をしているなど、この時は夢にも思いませんでした。それどころか「地銀の優等生であるスルガ銀行が、休日に支店を開けて融資をしてくださるのだから、よほど優良な案件なのだろう」としか考えておりませんでした。
表紙からして違う通帳がスルガ銀行から開示される
スルガ銀行によるシェアハウスの不正行為が発覚した2018年に、不動産業者BのS田氏に私の案件も不正があったのでは無いかと確認したところ「アパートは問題ない。シェアハウスのみの不正行為だ」と言われました。この時点では、不動産業者Bによる家賃の振込遅延は複数回あったものの、サブリース通りの家賃が振り込まれていたため、アパートでは不正行為は行われていないと信じておりました。
2020年4月、不動産業者Bからサブリースの家賃が入金されなくなってしまい、不審に思った私はスルガ銀行に当時の融資審査資料の開示請求をしました。出てきた資料を見て愕然としました。なんと私が不動産業者Bにもスルガ銀行にも提出していない預金通帳が審査資料として出てきたのです。さらに資料にはスルガ銀行の支店長による「原本に相違ない」旨の押印までありました。私の持っていない通帳を原本として確認したことになっているのです。理解できない事態に混乱しました。さらに100万円足らずだった当時の預金額は、3,000万円以上に書き換えられておりました。
賃料表であるレントロールも改ざんされておりました。スルガ銀行から開示されたレントロールには17区画ある駐車場が全て「空」となっているにもかかわらず、5,000円の賃料収入があることになっておりました。これにより物件の価値そのものも改竄されていたのです。私はこのとき、シェアハウスと同じように「私もスルガ銀行に騙されていた」ということに初めて気づいたのです。
次々に明らかになるスルガ銀行の不正
私の案件も不正融資であったことが分かり、私は不動産業者から当時のスルガ銀行と不動産業者のやり取りを入手したのですが、スルガ銀行から不動産業者に融資条件として、定期預金200万円、積立定期146,000円/月、個人年金30,000円/月ということが指示されておりました。銀行の代理店でもない不動産業者に、本来銀行法で禁止されている歩積両建を強要するように指示していたのです。
また、法務局で当時の不動産の取引の流れを確認しました。そこには、売買契約に出てこない、中間業者の不動産業者Pが入っていたことが判明しました。要するに不要な業者が転売業者として入り、利益を抜いていたのです。
その証拠に今の物件の評価額の算出を第三者の不動産会社に依頼しました。1.37億円の融資を受けて購入した物件は、6,500万円~7,500万円と算出されました。スルガ銀行が1円でも多く融資するためにレントロールを偽装し、本来不要な転売業者が入った結果、私は評価額と比較し2倍近い額の債務を背負うことになりました。
自己破産の不安と隣り合わせの日々
2011年4月、リーマンショック後の就職が最も困難な時期に採用してくれた今の会社に、私は生涯仕える覚悟で入社しました。
私は、金融庁が打ち出した「顧客本位の業務運営」とは何かを常に自問自答し「この提案が真にお客様のためになっているのか」を考えて業務を行っております。
対してスルガ銀行はどうでしょう。自身の利益だけを考え、融資に必要な書類を改ざんして融資を通し、業者と手を組み不正融資を行いました。スルガ銀行の支店長は、金融資産を確認する際、見てもいない預金通帳に対して原本確認の押印をしておりました。スルガ銀行の保険商品の勧誘に問題があったことを生命保険会社は認めたにもかかわらず、スルガ銀行は問題が無かったとの一点張りです。
これらの態度のどこが「顧客本位の業務運営」でしょうか。
自己破産となれば証券外務員と保険募集人の資格を剥奪されるため、現職を解雇される可能性もあります。私はこの不安と常に隣り合わせで日々を過ごしております。世間は自己責任論等で片付けようとします。確かに自己責任は承知していますが、これは不正な融資で消費者に貸し付けたという、スルガ銀行が行った詐欺行為です。私もシェアハウス問題同様の被害者です。
私もスルガ銀行不正融資の被害者であることが分かった時、妻は泣きながら「もう子どもは産めない」と呟きました。そして喧嘩が絶えなくなり、妻は家を出ていきました。スルガ銀行はスルガ銀行自身の利益追求だけを考え、多くの会社員、更にはその家族の未来を奪ったのです。
スルガ銀行による不正融資を受ける前の平穏な生活を取り戻したい。私の願いはただそれだけです。
<編集部コメント>
スルガ銀行不正融資事件によって、家族が崩壊した事例です。
楽しい新婚生活をスタートさせた矢先に発覚した、スルガ銀行不正融資事件により「もう子供は産めない」と涙を流した奥様のお気持ちを考えると、胸が締め付けられます。友人の紹介ということで、断り切れなかったのかもしれません。
一部上場の金融機関がまさかこのような不正をするなど、誰も夢にも思っていなかったでしょう。
スルガ銀行が関与している融資審査資料の改ざん、それを正しくチェックできない融資審査部の実態が今回のケースでも明らかになりました。スルガ銀行の行員自ら、資料を改ざんしないと融資審査を通せず、営業成績を上げられないと証言しています。
スルガ銀行は「この提案が真にお客様のためになっているのか」を考える銀行に生まれ変わり、全ての被害者とその家族と向き合い、一日も早く被害者救済を行うことを願うばかりです。