スルガ銀行 不正の事実-029 無能な経営会議
2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、スルガ銀行での経営会議の位置づけも問題だったことが指摘されています。
世間を震撼させたシェアハウス問題も複数の関係者には認識されていたが、そのような情報は経営会議にて報告されていなかったことが明らかになっております。また書類の改ざん等のコンプライアンス上深刻な「お客様の声」も報告されず、「ATMの使い方が分からない」などのとるに足らないトピックスを並べるだけに堕していたと指摘されております。
このようにスルガ銀行の経営会議は、執行への監督機関としては全く何の機能も果たしていなかったし、意思決定機関としても取締役会と重複して設置する意味は無かった、むしろ取締役会を形式化、形骸化させる役割を果たしてしまったと指摘されております。(スルガ銀行 不正の事実-028 形式的な取締役会 参照)
「仮に経営会議がシェアハウス問題にいち早く気がつき、それを取り上げて審議し、対処方針を決める等していれば、このような大きな問題には発展しなかった。しかし社内役員も誰もシェアハウスの問題を察知しても、経営会議に報告しなかった」とあるように、会社の運営を司る経営メンバーが問題を認識しておきながら放置・放任した結果、シェアハウス等投資用不動産向け不正融資によって多くの被害者を生み出すこととなりました。
(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(226/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf