スルガ銀行 不正の事実-009 スルガ銀行の融資審査は形骸化していた

2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、スルガ銀行の融資審査は、2015年10月22日に「個人ローンビジネス新運用基準」を適用しました。顧客の自己資金や年収の確認資料である自己資金確認資料について、融資審査部に一切口を出させないための基準であるほか、融資基準についても基準を緩める方向で大幅に変更されました。これは営業サイドの強い意向により制定されたルールです。

この新運用基準は、審査担当者が営業担当者に自己資金確認を委ね、審査部への預金通帳の写し等の送付を一切不要とすることを徹底する趣旨であったことが判明しております。
これによりスルガ銀行の融資審査は形骸化し、結果的に行員による多数の不正行為が広がったり、信用リスク管理の不全を招いたことが、調査報告書において指摘されております。

スルガ銀行は営業サイドの強い要望により、融資審査部によるけん制機能を排除したことで、行員による多数の不正行為が広がり、多くの不正融資被害者を生むことになりました。

なお、2017年に融資審査部長に就任した堤智亮氏は、この異様な基準に違和感を持つことなくやり過ごし、2019年より取締役に就任していることからも、スルガ銀行自身が不正融資の責任を追及することなく、むしろそれを評価していたことが良く分かります。

(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(169/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf

スルガ銀行株式会社 第210期 定時株主総会 招集ご通知(11/72ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/investors/soukai/pdf/210soukai.pdf