スルガ銀行 不正の事実-027 出張金消-不正融資被害は全国へ-

2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会調査報告書において、スルガ銀行では、行員が債務者の居住地の近くまで赴いてファミリーレストラン等で金銭消費貸借契約の手続きを行う「出張金消」と呼ばれる運用が頻繁に行われていたこと、また、出張金消に当たっては、融資の案件をアレンジしているチャネル(不動産業者)が行員に対して交通費を支払う取扱いが定着していたことが挙げられています。

スルガ銀行では、出張に際して発生する行員の交通費については行内でルールが設けられていなかったため、チャネルが交通費を支払うことが習慣化され、行員が業者に対して交通費を自らの個人口座に振り込むよう督促するメールも発見されております。
また、行員同士のメール「1、2万かと思ったら引くほど入っている」「〇〇(行員の名前)ががんばる訳だ」というやり取りも発見されており、交通費の名目で業者から行員に対して不適切な支払いが行われていた可能性が有ります。

不正の事実-006でも紹介していますように、スルガ銀行員は不動産業者より、飲食の饗応や何らかの金銭(キックバック)を受領していたことが報告されております。
これら、行員自らが不当な利益を得ていた実態は、多くの行員が認識していたにも関わらず是正されることは無く、且つ行員が不正融資を積極的に行う原動力の1つとなり、結果として不正融資被害が全国に拡大する要因となりました。

(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(122-123/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf