スルガ銀行 不正の事実-033 物件概要書の偽装
2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、物件概要書(事業計画を含む)の偽装も認められたことが報告されています。
レントロールは物件から得られる収入のみですが(※レントロールも偽装:不正の事実024参照)、これ以外に融資の稟議申請にあたっては、物件購入後の事業計画(稼働率、運営委託費用、修繕費、保険料等を予測して、投資家のキャッシュフローが融資の返済を上回るか否かを検証するもの)が必要でした。物件概要書の偽装が認められた事例には、例えば以下のようなものが挙げられております。
・業者が行員に対してサブリース契約書記載の戸数とレントロール記載の戸数が異なる物件情報を送付
・業者が行員に対して物件の資料を送る際に「資料は原本+3,000円で作成しました」と記載。資料に投資家用と銀行用があることを自認
99名の行員を対象として実施したフォレンジック調査の結果として、レントロール、サブリース契約および物件概要書の資料に偽装が疑われる件数は423件もあることが判明。シェアハウスや中古マンション等向け融資が対象となっております。
スルガ銀行が業者による融資審査書類の偽装を知りつつ黙認していたことは明らかであり、不正の事実005にもご紹介の通り、業績至上主義、貸したもの勝ちの人事評価体制によって杜撰な融資審査が横行し、本来融資されるはずのない物件や顧客に対し本来の価値以上の融資が行われ、結果多くの不正融資被害者が生まれることになりました。
(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(100-101/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf