平穏な日々を取り戻したい!

掲載日:2022年10月10日

私は1970年生まれ、現在52才です。製造業で管理職をしており、妻、子1人の3人家族です。
私は、2015年3月に岐阜県にある4階建のマンションを購入するため、スルガ銀行から1億5850万円の融資を受けました。今、そのスルガ銀行へのローン返済のため苦しみ続けており、不安で夜も眠れず、仕事も手につかない状態です。残り少ない会社人生や、生まれたばかりの娘の将来のことを思うと、死んで清算するしかないんじゃないかと日々苦しんでおります。

資産運用の改善を願って1棟収益物件の購入を決心

物件購入のきっかけは、手持ちの区分マンションの収支改善をしませんか?という不動産仲介業者H社のK氏からの提案でした。話を聞いてみると、新たに中古1棟マンションを所有し、その収益で手持ちマンションのローンを軽くしていくという提案でした。しかし、その中古1棟マンションを保有するに当たって必要な融資金額は1億5850万円と、とても普通のサラリーマンが受けられるような金額ではなかったので初めは断っていました。
一方、手持ちマンションの収支がギリギリの状態であったことも事実でした。「どうやって収支を改善されるおつもりですか?」とK氏に問われ、自分でも良い手段がないものか悩んでいました。K氏は「ご紹介する物件はスルガ銀行が適正な評価をして、融資を付けられると言っているので安心な物件です」と勧めてきました。他の銀行でも融資は付けられるのかと聞いたところ、スルガ銀行以外では融資は付かないと説明されました。とにかく、銀行が適正な評価をして融資を付けられると言っているなら安心な物件なのだろうと思い、購入することを決心しました。

売買契約は、契約相手となる不動産業者R社の事務所でF社長と交わしました。その後、その場にスルガ銀行新宿支店の行員M氏が来て、融資申し込みと融資契約の調印をしました。金額の大きさの不安を話すと「大丈夫です。皆さん最初はそうですよ。」と鼓舞されました。その際、大規模修繕工事や経年劣化に対する修理などはどうなるのかなどの話をすると、「プラン通りなら何も問題無いですよ」「家賃収入からローン返済を差し引いても、毎年しっかり利益が積みあがっていく計算ですね」などと言われました。契約の際に、融資に当たっての条件ということで、プラチナカードの入会、積立定期預金の加入、積立生命保険の加入を求められました。融資条件と言われると断ることもできず、言われた通りに契約をしました。

一方的にサブリースを解除され、更にスルガ銀行の冷徹な対応で絶望の淵に・・

契約当初からしばらくはサブリース契約で予定通りの収入がありました。しかしその後、振り込まれる金額が減らされ、当初契約通りの金額が支払われなくなってしまいました。私の窓口になっている仲介業者H社に減額分の支払を求めるなど交渉しましたが、全く話になりませんでした。その後、今度は一方的なサブリース解除通知が送られてきて、ただ事ではないことを悟りました。
この頃は私生活も大変な時期でした。そんな時にサブリースが一方的に解除され、巨額のローンをどうすれば良いのかと、大変なショックを受けました。このままでは自己破産しかないのか、そうなれば、何とか手に入れた自宅も手放さなくてはならないのか、などと悪いことばかりが頭に浮かび、目の前が真っ暗になりました。
この問題で頭が一杯になり、数週間もの間仕事が手につきませんでした。
このままではローンの返済が滞ってしまうため、スルガ銀行へ相談することにしました。状況を説明し支払いができない旨を伝えると「とりあえずは金利を見直して、元本据え置きで金利だけでも払っていきましょう」と言われました。その時は「ああ、これで自己破産だけはせずに済む」「家も手放さないで済む」と、最悪の事態を免れられた安堵感で、スルガ銀行に対してすごくありがたいと感謝の念まで抱いたほどでした。実際には金利だけを粛々と払うことになったにも関わらず、その時はその問題の大きさに気づけていませんでした。

その後、言われた通りに金利だけを真面目に払い続けました。当然ですが、2年経っても3年経っても元本は減りません。今のままでは永久にこの状況から抜け出すことはできないんじゃないかと焦りが出てきました。スルガ銀行もはじめは穏やかな対応でしたが、「そろそろ元本も返していきましょう」と、返済金額を引き上げてきました。そもそもの収入がローン返済額をはるかに下回っているのにどうやったら払えるんだと、絶望し、途方に暮れました。

自分も不正融資の被害者となっていた!

そんな時、報道などでスルガ銀行の不正融資問題を知ることとなりました。まさか自分も?と思い、再び大きな不安に駆られました。
すぐさまスルガ銀行に対して融資審査時の情報開示を請求し確認したところ、私の件も預金残高資料、レントロール(賃料表)が改ざんされ、支払ってもいない手付金の領収書が偽造されていました。自分も不正融資の被害だったのです。この時私はスルガ銀行に対して激しい怒りを覚えるとともに、あることを思い出しました。この物件を購入するよりも前に、自宅購入の件でスルガ銀行に相談したことがあったのです。その時は「あなたには融資は出来ません」ときっぱり住宅ローンは断られていたのです。にもかかわらず中古1棟物件の1億5850万円は融資するという、自社利益のみを貪ろうとするスルガ銀行の正体を知って呆れかえりました。

平穏な日々を取り戻したい!

スルガ銀行の報道や私の置かれている現状を見てから、妻の容態が芳しくなくなり不安定な状態が続くようになりました。将来に対してかなり、いや、多分私以上の不安を抱えていたんじゃないかと思います。状況は悪化し、ついには重度の精神疾患を患ってしまいました。子供との接触を禁止されるほどの重度疾患です。現在は私が仕事と子育てを一人でしています。時短勤務で給料は激減し、毎月の生活もギリギリでやっています。このような窮状をスルガ銀行に説明しても、自分たちの不正は棚に上げて、そろそろ元本も返していきましょうとの返答しかしてくれません。不正な融資を押し付けておいて、後は知らんぷりなのです。

今、一人娘を育てて思うことは、この子のために何としてもこの問題を解決したい、妻を安心させて一刻も早く以前の状態へ戻ってもらいたいということだけです。私は、私と家族が手に入れたささやかな幸せさえも、スルガ銀行の不正によって奪われてしまいました。スルガ銀行が公序良俗に従って本当に顧客本位の運営をしていれば私のような被害者を生むことはなかったはずです。今はただ以前のような平穏な日々が戻るのを願ってやみません。

<編集部コメント>

収支改善のコンサルティングは銀行であれば専門部門であるはずです。それが自社利益や行員個人の成績追求のために不正を犯してまで融資を実行したことは言語道断です。その結果、Wさんご家族は経済面だけでなく精神面までも追い込まれてしまいました。その窮状を訴えても、スルガ銀行は自分たちの過ちを認めようとせず、自分たちが貶めて苦しんでいる顧客に対しまともに取り合わない姿勢は断じて許せません。スルガ銀行による早急な問題解決、被害者救済と、Wさんご家族の平穏な日々が一日も早く戻ることを願っております。