スルガ銀行 不正の事実-030 会社のためでも顧客のためでもない

2018年9月7日に公表された、スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書によると、不正行為等に関わったスルガ銀行行員は、銀行、顧客、取引先等のためでもなく、自己の刹那的な営業成績のため(逆に成績が上がらない場合に上司から受ける精神的プレッシャーの回避のため)、不正行為を行ったものと評価されると指摘されています。

以下、第三者委員会の報告書の抜粋です。

●自己資金確認資料等の改ざんを銀行員が主導したり、それを知りながら黙認して申請したりすることが、行内の諸規定・融資条件等に違反する行為であることは、行員は誰もが知っている。

●銀行から見ても、虚偽の資料により融資を通すことは銀行の信用リスクを過大にし、銀行に損害を与える行為である。

チャネルの信用力を適切に評価せず、またビジネスモデルの永続性の欠如を無視して融資することは、銀行に多大なリスクを負わせることになる。

●投資家にとっても、信用力の無い業者のサブリース契約への依存、市場相場より高額な不動産の購入により、問題発生時に大きな損失が発生することが予見される。

また、一部の行員は不動産業者から過度なキックバックを得ていた(不正の事実006:キックバック)とも指摘されており、利己主義的な行動をしていたことがわかります。さらに、融資審査部も審査の簡素化や偽造があることをわかっていながら、融資を通すなど組織的な不法行為の存在も確認されています(不正の事実009:審査形骸化)。
スルガ銀行の行き過ぎた業績至上主義、業者からのキックバック、ノルマ未達時の上司からの過度なパワハラによって行員の不正行為が助長
され、それを阻止する審査部門が機能不全に陥っていた結果、多くの被害者を生み出すこととなりました。

(参考サイト)スルガ銀行株式会社 第三者委員会 調査報告書(200/338ページ)
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf